
トランスジェンダーの職員が逆転勝訴 職場の女性トイレ制限は「違法」 最高裁初判断
トランスジェンダーの経産省職員が「女性用トイレの使用を不当に制限された」と訴えた裁判で、最高裁は国の対応は違法だとする判決を言い渡しました。
■職場で自由な使用を認められず…国を訴え
原告・経産省職員(50代):「こういう判決が出た以上、(関係者は)もっと具体的に踏み込んで、真剣に考える対応が迫られるのではないか」
こう話すのは、戸籍上は男性ですが、性同一性障害と診断され、女性として勤務する経産省の職員です。
庁舎内で自由に女性用トイレを使用することが認められず、自分の働くフロアから2階以上離れたフロアのトイレを使うよう制限されたことを不当だとして、国を訴えていました。
2019年12月に開かれた1審でトイレ使用制限は「違法」と判断しましたが、2021年5月の2審は「適法」だとする判決を言い渡していました。
そして、最高裁は11日、これまで職員が女性トイレを使用したことによるトラブルがなかったことなどを重視し、国の対応について「違法」と認め、職員側の逆転勝訴を言い渡しました。
最高裁の判決:「他の職員への配慮を過度に重視し、職員の不利益を不当に軽視するもので、著しく妥当性を欠いている」
性的少数者の職場環境に関する裁判で、最高裁が判断を示すのは初めてです。
判決を受け、政府は…。
松野博一官房長官:「今回の判決では国の主張が認められなかったと受け止めています。関係者の方の声を丁寧に伺いながら適切に対応していきます」
一方、逆転勝訴した経産省職員は「大事なのは社会生活、自認する性別に即した社会生活を送ることであって、トイレとかお風呂とか矮小(わいしょう)化して議論すべき問題ではない」と話しました。
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