
訃報(ふほう)タレントのryuchell死去
タレントのryuchell(りゅうちぇる、本名・比嘉龍二)さん(27)が、東京・渋谷区笹塚の個人事務所で12日に亡くなったことが捜査関係者への取材で分かった。現場の状況から警視庁は自殺とみている。個性的なファッションとキャラクターで人気を集め、2016年にモデルでタレントのpeco(ぺこ、28)と結婚。22年に「新しい家族の形」を選んだとして離婚を明らかにし、性の多様性についての発信を続けていた。
中性的なキャラクターで多様性を尊重し続けたインフルエンサー・ryuchellさんが急死した。関係者によると、12日夕方に東京・笹塚の事務所内でぐったりとしていたのを関係者が発見。その後、死亡が確認された。警視庁は自殺とみて調べている。
親しい関係者によると、ryuchellさんは最近も明るく活発で、悩んでいる様子はなかったという。11日は愛息の5歳の誕生日だったが、翌日に帰らぬ人となった。亡くなった12日は2人の姉の誕生日だった。
訃報(ふほう)を受け、事務所が入るマンションにはマスコミなど約50人が集まった。2階と思われる部屋に捜査関係者が立ち入り、午後8時30分ごろ、警察官が車の周りをブルーシートで隠した。シートの隙間からストレッチャーがのぞき、遺体などを事務所から搬出したとみられる。
ryuchellさんは、今月10日までほぼ毎日のようにツイッターにメッセージを投稿。直近では、10日午前7時に「おはちぇるぅ~」と笑顔の絵文字などを用いてファンに呼びかけていた。一方で、3日には「耐えようっ」、7日には七夕にちなみツイートを短冊仕様にして「世の中が愛で溢(あふ)れますように」など、悩みをうかがわせるような投稿もしていた。
今月8日には自身のインスタグラムに「とあるお仕事が始まる事情で黒髪に戻しました…バイビー金髪ッ」とつづり、黒髪に戻した姿のショット5枚を投稿していた。
ryuchellさんは中性的なキャラクターと個性的なファッションが人気を集め2015年、バラエティー番組への出演をきっかけにブレイク。16年大みそかに「ぺこ&りゅうちぇる」として活動し、交際を公言していたpecoとの結婚を発表したことも話題となった。
18年7月には第1子となる長男が誕生したが、22年8月に離婚を発表。今後は「人生のパートナー」として暮らしていくことを、それぞれのインスタグラムで報告し、これまで通り長男と3人で家族として暮らしていくとしていた。
離婚後は精力的に多様性の大切さを訴え続けた。LGBTQ(性的少数者を表す総称の一つ)の問題も積極的に発信するなど、インフルエンサーとして活躍。離婚の決断に至った理由は“男らしさ”や“夫らしさ”だったことも正直にカミングアウトしつつ、育児や性別のあり方、向き合い方の重要性をシンポジウムなどで力強く語っていた。
称賛の一方、離婚後のryuchellさんには心ない批判もあった。インスタグラムでpecoが長男のお弁当の写真など、育児に奮闘する投稿をする中、ryuchellさんは容姿が女性に近づいていくかのような写真を次々とアップ。ネットでは「pecoばかりが育児をしている」と書き込まれることもあった。
◆厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▼いのちの電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)、0120・783・556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120・279・338(24時間対応)
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